2018年4月
突然電話はかかってきました。
「こんにちは。◯◯役場の□□と申します。実はお願いがありまして…」
実家にUターンしてきてまだ1年経ったばかり。役場から電話をもらうような心当たりはない。
「ももちゃんさん、雑穀を育てていらっしゃいますよね。粟も育ててますか?」
いきなり雑穀の問合せ?確かに私は雑穀を栽培している。前年に実家にUターンしたのも雑穀を育てるためなのだ。しかし私はこう答えた。
「粟は育ててはいるのですが、めんどくさくて去年は育てませんでした。」
すると驚くようなこたえが役場の人から返ってきた。
「それがですね、今年、わが町に新嘗祭の当番が回ってきまして、天皇に米と粟を献上しなければならないんです。米は育てている農家さんがいるのですが、粟を育てている人がいなくて、ある方からももちゃんさんのことをお聞きしたものですから…」
はい!?
確かに雑穀は育てていますよ。数年前に種を入手して栽培を始めました。
しかし、天皇に献上ですか!
「いかがですか?受けていただけますか?」
突然の申し出に私の頭の中はグルグル混乱。
しかし!こんなことは願ってもないことです。
「はい、お受けします!」
数秒間考えた挙句、わたしは天皇に粟を献上するというお役目を引き受けることとなりました。
たまたまその年は田んぼが壊れてて、少し広い田んぼに雑穀を植えて良いということだったので、何を育てようかなと考えていたところだったのです。
今考えたら、まるで粟を栽培するために広い畑を用意してもらったような流れでした。
ここから私の不思議体験が始まります。
つづく…
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